神奈川宿のみどころ(3)


神奈川宿 成仏寺

成仏寺

正覚山法雨院といい浄土宗のお寺です。嘉永7(1854)年、横浜で行われた日米和親条約交渉の全権委員・林大学頭の宿舎になりました。安政6(1859)年横浜開港3か月後にはアメリカ人宣教医・ヘボンが来日し、その宿舎となりました。2週間後にブラウンとシモンズも来て、ヘボンは本堂に、ブラウンは庫裡に、シモンズは宗興寺に住みました。日本で初めて日曜礼拝も行なわれ、領事館員、商館員、水兵、船員が参加して、この寺から讃美歌が聞こえてきたそうです。


神奈川宿 慶運寺 浦島太郎

慶運寺

滝の川沿いに慶運寺があります。吉祥山茅草院といい、浄土宗知恩院派のお寺です。開港時にはフランス領事館にあてられました。

 東神奈川の山側の浦島丘にあった観福寿寺に浦島伝説が伝わっていましたが、慶応4(1868)年の大火で焼失したため、浦島観世音や石塔がこの寺に受け継がれ、慶運寺は浦島寺とよばれるようになりました。秘仏浦島観世音は12年に一度、子年に御開帳されます。


神奈川宿 浄瀧寺

浄瀧寺

妙湖山浄瀧寺といい日蓮宗池上本門寺派のお寺です。開港当時にイギリス領事館として使用されました。鎌倉時代、日蓮上人が鎌倉へ

向かう途中にこの寺へ立ち寄った際、開基妙湖比丘は日蓮に心酔し弟子となりました。日蓮が佐渡へ島流しされたとき、日蓮の安全を祈願して、日蓮上人像を作り片目を入れ、日蓮上人が帰還したとき両目を開眼したといわれています。 

 境内には、青木本陣鈴木家の墓碑、大旅籠の大国屋、横浜に進出した貿易商の鴨居屋など神奈川宿関係者の墓地が多くあります。


神奈川宿 ヘボン 宗興寺

宗興寺

開塔山宗興寺といい曹洞宗のお寺です。創建当初は真言宗のお寺でしたが、寛文年間(1596年~1615年)に曹洞宗に改宗して現在に至っています。ヘボン式ローマ字で知られるヘボン博士が成佛寺を宿舎としながら宗興寺を施療所として6か月間で約3,500人の患者を無償で診療しました。また安政6(1859)年ヘボンに半月遅れで婦人と共に来日したシモンズが宗興寺に住みました。シモンズは、横浜病院(後の十全病院、現横浜市大病院)医院長を勤め、横浜の近代医学の先駆者といわれています。